これまでは、リンナイ MV-S710 という7インチのアナログテレビが付いており、我が家では大変重宝していた。画質はデタラメだったが、浴室にテレビが有るのと無いのとでは、快適さに雲泥の差がある。
最初は浴室テレビ専用機を検討したが、デザイン的にいまいちなものしかないことと、視野角の狭いものばかりなことから、浴室テレビ専用機は検討から外れ、タブレットでなんとかしてみよう、ということになった。
我が家では以下の構成で浴室テレビ視聴環境を構築した。
・浴室テレビ側
テレビ用端末 :10.1インチ Androidタブレット F-05E (防水、Full HD)
視聴用アプリ :RemoteTest+MX Player
タスク制御 :AutoMagic
・母艦側
チューナー端末 :PC(Windows7)+PT3+RecTask+EDCB
配信アプリ :RemoteTestServer+VLC
完成図はこんな感じ。F-05Eを設置したところ。
余談だが、F-05Eは、余生を浴室テレビとして活躍するために生まれてきたと言っても過言ではないぐらい、浴室テレビに適した構造だった。
おもて面のボタンで電源ON/OFF可能、スピーカーもおもて表面、背面に電源端子があるので、配線を見せずに取り付け可能、といった感じで、まさに浴室テレビ向け。
■テレビの準備
まずはAndroidタブレットをテレビとして利用できるようにしておく。
RemoteTestを使って視聴する手順はいろいろ紹介されているので、ここでは触れない。
参考までに、RemoteTestServerの設定ダイアログはこんな感じ。
■浴室内での操作を楽にするために
Androidタブレットをテレビとして利用できるようになったところで、以下設定を行った。
そもそもAndroidタブレットはテレビ専用機ではないため、電源やら後始末やらを考えてあげなければならない。例えばテレビ視聴中に、いきなり電源OFFにしてしまうと、母艦側のストリーミング処理は走ったままになってしまい、チューナーも掴みっぱなしになってしまう。
これらを対処するため、電源OFF時の後始末をAutoMagicにやらせる。
基本的に、どんな状態であっても、電源ボタンを押すだけで終了できるようにしている。
AutoMagic動作概要
AutoMagicにて、電源ON/OFFをトリガーにして実行されるタスクを用意し、動作を自動化している。こんな感じで2つのタスクを用意。
それぞれの動作概要は以下の通り。
■F-05Eの電源をONにした場合の動作
左から順番に、
0. トリガー=ディスプレイがONになったら以下を実行する
1. WOLパケットを母艦に飛ばし、母艦を起動させる
2. 電源OFFのトリガーを有効化
3. 電源ONのトリガー(本タスクのトリガー)を無効化
※これをする理由は、次項の「F-05Eの電源OFFにした場合」を参照。
4. RemoteTestを起動する
5. 母艦が応答できるまでの数秒を待機させる(準備中ダイアログ表示)
6. RemoteTest上のサーバ名箇所を自動クリックする
ホスト名部分を自動クリックさせ、以下のチャンネル選択画面に遷移。
ここまでを電源ON時に自動で実行させる。
あとはチャンネルをタップすることで番組が表示される。
あらかわいい!個人的には眞子さまのほうが好みだけど(*^_^*)
チャンネルの変更は、左下の戻るボタンで一旦チャンネル選択画面に戻る必要がある。このチャンネル変更の操作を受け入れてもらえるか、一番懸念していたが、一覧で選べることと、番組名が出ていることで、逆に好評だった。
ちなみに、チャンネル一覧で表示されるチャンネル名は少々いじっている。
チャンネル名は、TvTestフォルダ内の「BonDriver_PT3-T.ch2」内の文字列が反映される。
BonDriver_PT3-T.ch2 例
; TVTest チャンネル設定ファイル各チャンネルの最後のカラムを0にすると一覧に表示されない。
; 名称,チューニング空間,チャンネル,リモコン番号,サービス,サービスID,ネットワークID,TSID,状態
;#SPACE(0,地デジ(UHF))
【1】 NHK総合,0,14,1,0,1024,32736,32736,1
【2】 Eテレ,0,13,2,0,1032,32737,32737,1
【3】 TVK,0,5,3,0,24632,32375,32375,1
チバテレビ,0,17,3,0,27704,32327,32327,0
テレ玉,0,19,3,0,29752,32295,32295,0
【4】 日本テレビ,0,12,4,0,1040,32738,32738,1
【5】 テレビ朝日,0,11,5,0,1064,32741,32741,1
【6】 TBS,0,9,6,0,1048,32739,32739,1
【7】 テレビ東京,0,10,7,0,1072,32742,32742,1
【8】 フジテレビジョン,0,8,8,0,1056,32740,32740,1
【9】 TOKYO MX,0,7,9,0,23608,32391,32391,1
J:COM HD,0,0,10,0,23656,32397,32397,0
J:COM横浜,0,6,11,0,24697,32383,32383,0
放送大学,0,15,12,0,1088,32744,32744,0
■F-05Eの電源をOFFにした場合の動作
0. トリガー=ディスプレイがOFFになったら以下を実行する
電源OFF時、ディスプレイがOFFになると実行される。従って、電源ボタンで一瞬画面OFFになり、その後このタスク実行のために画面ONになり、以下のタスクが実行される。
※電源ON時のタスク内で、3.電源ONトリガーの無効化は、ここで電源ONタスクが発動しないようにするため。
1. 戻るボタンを複数回自動押下し、RemoteTestを完全に終了させる
連射すると取りこぼすので、押すごとに300msのsleepを挟む。戻るボタンは5回押したことにする。実際は5回も押す必要はないが、確実にホーム画面まで戻すために多めに押させる。RemoteTestを完全に終了させることで、母艦側の処理も完全に終了させることができる。
2. 電源OFFのトリガーを(本タスクのトリガー)を無効化
※これをやっておかないと、この後の電源OFF時にまた本タスクが起動される。
3. 電源ONのトリガーを有効化
4. スリープに移行させる=画面OFF
以上で、テレビのOFFは、電源ボタンだけで対応できるようになった。
3月中旬頃からこれまでの間、プロセスが残ることなく安定稼働できている。
■画質とか、RemoteTestの設定とか
IPS液晶なので視野角は不自由なく問題ない。解像度も高いので、リンナイ MV-S710から比べると超絶グレードアップした感がある。欲を言えばもう少し発色が濃いと最高だが、浴室テレビとしては十分すぎるほどにきれいだと思う。
配信設定はいろいろ変えてみたけど、最終的には1440x1080の30p(BSの場合は1920x1080の30p)に落ち着いた。
考え得るあらゆる設定を試したが、残念ながら60pでの配信はできなかった。
前回レビューしたPIX-BR321(=1280x720 30p)よりは確実に画質はいいので、とりあえずこのまましばらく運用してみようと思う。
配信時の母艦側のCPU負荷は35%前後。
放送波をそのまま変換せずに配信すると、一見、問題なく表示されているように見えるが、インターレース縞が出ないように表示されているだけ。
インターレースを素で表示しているのか、1440x540の解像度のようで、よく見ると輪郭がギザギザ、フレームレートは30で、結構残念な感じ。ただインターレース縞は見えないし、母艦の負荷もほぼ0なので、これはこれでアリかもしれないけど。
ちなみにRemoteTestServerの配信設定は以下の通り。
VLCOption.txt の内容。黄色の部分が今回追加した部分。
無変換,'-vvv %src% --sout=#duplicate{dst=transcode,select="es=0",dst=transcode{acodec=mpga,ab=128,channels=2,afilter=audio_format},select="es=1"}:standard{access=http{mime=video/mpeg},mux=ts,dst=%dest%} --no-ts-es-id-pid --sout-ts-pid-audio=68 --intf="rc" --rc-quiet --rc-host=%rc-host% vlc://quit'1080pの設定を使用中。地デジは1440x1080、BSは1920x1080で配信される。
1080p,'-vvv %src% --sout=#duplicate{dst=transcode{vcodec=h264,vb=4000,venc=x264{profile=main,keyint=60,preset=faster}},select="es=0",dst=transcode{acodec=mpga,ab=128,channels=2,afilter=audio_format},select="es=1"}:standard{access=http{mime=video/mpeg},mux=ts{use-key-frames},dst=%dest%} --no-ts-es-id-pid --sout-ts-pid-audio=68 --intf="rc" --rc-quiet --rc-host=%rc-host% vlc://quit'
720x480,'-vvv %src% --sout=#duplicate{dst=transcode{vcodec=h264,vb=1500,venc=x264{profile=main,keyint=60,preset=faster},width=720,height=480},select="es=0",dst=transcode{acodec=mpga,ab=128,channels=2,afilter=audio_format},select="es=1"}:standard{access=http{mime=video/mpeg},mux=ts{use-key-frames},dst=%dest%} --no-ts-es-id-pid --sout-ts-pid-audio=68 --intf="rc" --rc-quiet --rc-host=%rc-host% vlc://quit'
960x540,'-vvv %src% --sout=#duplicate{dst=transcode{vcodec=h264,vb=2000,venc=x264{profile=main,keyint=60,preset=faster},width=960,height=540},select="es=0",dst=transcode{acodec=mpga,ab=128,channels=2,afilter=audio_format},select="es=1"}:standard{access=http{mime=video/mpeg},mux=ts{use-key-frames},dst=%dest%} --no-ts-es-id-pid --sout-ts-pid-audio=68 --intf="rc" --rc-quiet --rc-host=%rc-host% vlc://quit'
1280x720,'-vvv %src% --sout=#duplicate{dst=transcode{vcodec=h264,vb=3000,venc=x264{profile=main,keyint=60,preset=faster},width=1280,height=720},select="es=0",dst=transcode{acodec=mpga,ab=128,channels=2,afilter=audio_format},select="es=1"}:standard{access=http{mime=video/mpeg},mux=ts{use-key-frames},dst=%dest%} --no-ts-es-id-pid --sout-ts-pid-audio=68 --intf="rc" --rc-quiet --rc-host=%rc-host% vlc://quit'
ただし先に書いた通り30p。
参考までに、以下のような設定にしても60pにはならなかった。
1280x720Linear,'-vvv %src% --sout=#duplicate{dst=transcode{fps=59.94,vcodec=h264,vb=3000,venc=x264{profile=main,keyint=60,preset=faster},width=1280,height=720,deinterlace-mode=linear},select="es=0",dst=transcode{acodec=mpga,ab=128,channels=2,afilter=audio_format},select="es=1"}:standard{access=http{mime=video/mpeg},mux=ts{use-key-frames},dst=%dest%} --no-ts-es-id-pid --sout-ts-pid-audio=68 --intf="rc" --rc-quiet --rc-host=%rc-host% --sout-transcode-fps=59.94 --sout-deinterlace-mode=linear vlc://quit'他にもいろいろ試したけど30pにしかならなかった。
60pのmp4を無変換で配信すると60pで表示できているので、MX Playerの問題ではなく、配信側(VLC)の問題のようだ。
放送波を60p変換して配信する設定をご存知の方、教えていただけますと幸いです(^^)